歯周病は私たち日本人の“国民病”とまで言われているのです

歯周病は、歯肉・歯根膜・セメント質・歯槽骨で構成される歯周組織(下図参照)が、お口の中の細菌感染によって破壊される慢性炎症性疾患。歯を失う最も大きな原因となっています。厚生労働省が行なった調査では、成人(30〜64歳)の約8割が歯周病に罹っているという結果がみられました。また、同調査から、成人だけではなく若年者も多く罹患していることがわかりました。さらには、小・中学校の学校歯科健診において歯周病と判定される児童や生徒が増えているという報告もあります。このような現実から、歯周病は私たち日本人の“国民病”とまで言われているのです。

超音波スケーラー

軽度の歯周病のうちは、歯ぐきが赤く充血してブラッシング時に出血するなどの症状(歯肉炎)が出ます。この症状には痛みがないため、放置してしまう方がほとんどです。この段階なら、歯科医院で適切な治療を受ければ比較的簡単な処置で済むほか、完治も可能です。わずかでも歯周病の症状が出たら、早めに専門医に相談しましょう。この段階に歯科医院で行う治療は次の通りです。

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ブラッシングで取り除けないプラークや歯石を、「スケーラー」という特殊な器具を使って除去します。歯石が歯周病の直接の原因になることはありませんが、歯石の表面がでこぼこしているためプラークが付着しやすく、放置すると歯周病菌の繁殖を促してしまいます。歯ぐきを覆っていた歯石が除去されると、一時的に冷たいものがしみたり、歯が長くなったように感じたりすることがありますが、すぐにおさまるので心配ありません。

 

歯ぐきや歯周ポケットに隠れていてスケーリングでは除去しきれなかったプラーク・歯石を、特殊な器具で除去します。さらに、プラーク・歯石の再付着を防ぐために、歯の表面をツルツルにしていきます。

生体情報モニター

これによって歯ぐきの炎症が抑えられ、歯周ポケットを浅くできるのです。

歯科医院などでの治療は、患者さんのお口の中を診査・診断した上で、その人に適した治療計画に沿って行なわれます。歯周病の予防及び治療の基本はプラークコントロールですが、これはセルフケアとプロフェッショナルケアの2種類に大別され、特に重要となるのが患者さん自身が毎日行うセルフケア。

 

歯ブラシはもちろん、歯間ブラシやデンタルフロスなどの適切な使用方法を覚えることが大切です。一方、プロフェッショナルケアは、専門家(歯科医師、歯科衛生士)によって定期的に行うお口の衛生管理。セルフケアで取りきれていないプラークや歯石を専門的に除去することで、予防や治療後の維持・管理に欠かせないものとなります。つまり、セルフケアとプロフェッショナルケアは、どちらかが欠けてもいけない、プラークコントロールの両輪と言うことができるでしょう。

 

また、プラークが溜まりやすい口内環境の改善のため、歯石の除去や補綴物の修正などの処置が必要となることもあります。さらに、歯周炎に進行している場合には歯肉の再付着を促す治療、ケースによっては歯周外科という小手術を行うことも検討されます。このように治療を進めていく過程では必要に応じて治療計画が修正されますが、患者さんが歯周病に罹った背景や生活習慣等を理解し、しっかりサポートしてくれる歯科衛生士との出会いが、歯周病治療において大切なポイントになるでしょう。

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